粉体塗装とは、その名の通り、塗料が粉の塗料を使った塗装のこと。ええ~?それでは、どうして粉の塗料が品物に付着するの?そんな疑問が湧いてくるのも当然かと思います。ここではそんな疑問にお答えいたします。

粉体塗装と言ってもその塗装方法には幾つかの方法があります。

静電塗装方法

静電塗装方法とは、塗料を静電気で帯電させ品物(被塗物)に付着させる方法のこと。この方法のメリットは塗料が廻りこんでくれる点。結果、塗料のムダ(=ミスト)が少なくなります。塗着効率が良いと言います。この方法は、溶剤塗装(乱ぼうに言えば、皆さんが一般的に考えるであろう液状の塗料を使った塗装)にも使われています。

流動浸漬塗装方法

大きな槽の中に粉体塗料を浮遊させておきます。その中に、加温した被塗物を入れ、塗料を被塗物に付着させる方法のこと。この方法は、コンベヤーラインとして使われることが多く、塗装コストも非常に抑えられる方法です。ただし、色変えが非常に難しいという大きな欠点もあります。色変えをするには槽全体の塗料を変えなければならないからです。色が白なら白だけと決まっている量産品に向いています。

粉体塗装のメリット

1.塗着効率が良い。更に、付着しなかった塗料を回収し、使用できる。

2.高分子の樹脂が塗料として利用できる。塗膜性能の向上。

3.1回の塗装で厚い膜厚が付く。

4.溶剤を使用しないことから、環境にも優しい。

 

粉体塗装のデメリット

1.塗装の“肌”が汚い。“ゆず肌”に成り易い。

2.色変え作業が大変。静電塗装方法による粉体塗装でも、色変えにおいては塗装ブースを始め、周辺を徹底的に掃除しなければならない。何せ、塗料が粉。被塗物に付着しなかった粉はどこに付着しているか分からない。その残った塗料が後の塗装作業の際、次の被塗物に付着しかねないから。

3.調色が大変。コスト・時間ともに。

今は、各粉体塗料メーカーが常備色として、数種類の色を用意していますが、やはりその数には限界があります。